愛知学院大学 禅研究所 禅について

愛知学院大学 禅研究所 禅について

禅の一言  平成27年度

覧古考新(著・所長 岡島秀隆)

平成27年は愛知学院大学禅研究所開所50周年・坐禅堂開単35周年の記念すべき年であった。この節目の時に、古きをたずねながら、研究所のあり方を考えねばならないと痛感する。今日の世界は猛烈なスピードで変化を続け、それに伴って流動する情報量も個人の想像をはるかに超えている。こうした社会状況の中で、研究所の役割を再検証することは重要である。もちろん、その本分が研究活動にあることは明白である。だが現在の研究所はそれ以外に、地域社会乃至世界に向けて禅仏教の真意とその有用性を敷衍しつつ社会貢献に資する活動が求められるなど、多様な課題を背負っている。それゆえ、学問研究と社会貢献を繋ぎ合わせる領域を見つけ出せれば、新たな方向性が生まれるかもしれない。

たとえば、本学禅研究所初代所長の伊藤猷典博士は教育学の分野に精通しておられたが、その著『宗教教育概説資料』が研究所の書架に残されている。その前篇「宗教教育の方法」によると、「宗教的な神秘の世界との交渉に於ては、人間は幾歳迄も成長をつづけ老年に及んで、他の方面では殆んど新味を持たないのに、宗教の世界に於てのみ予期せざる深層が開けて来ることがある。宗教こそは実に吾々の生ける生命律動の変化に伴う永遠の同伴者である」という。また、この文章の後には老年期に宗教的関心のみが薄らがない理由も示されている。紙数の都合で割愛するが、老いても死や宗教への関心は残され、むしろ自然に深まってくるという事実は現代を生きる我々にもあてはまる。そうした成熟期の人間の宗教的関心に応答することも、大学研究機関の現代的使命と言えるのではなかろうか。

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